マイボスとの出会い
ちょうど、1年前。
尊敬する上司と初対面しました。
私は3度、課長が変わっていますが、これは初めての課長と出会った時の話です。
配属部署に自分のデスクが与えられた時、先輩に連れられその課長1stに挨拶に行きました。
すると、課長1stのデスクの上はぐちゃぐちゃ。
もちろんスーツではなく、超派手なポロシャツとジーンズ姿。そして椅子の上であぐらをかいでいました。
私はこの時思いました。
なんてとこにきちまったんだ・・・・!
それからというものの、彼はパチンコで負けて食べるものがないからといって、私におやつをせびりに来たり、パソコンのモニタばかり見て私が笑わないとかいって、5メートルくらい後ろから笑顔でタバコの箱を頭やモニタにぶつけてきたり。
なんどもそれをされて、流石にそのタバコを受け止められるようになって、私にタバコを没収されたときには新人の私に深々と頭を下げてきたり。おやつを隠したら勝手に袋開けて食べていたり。
しかし、この課長。普段は職場で遊んでいるのですが、問題が発生したときや部下を守ることに関してはとんでもなく力を発揮する人でした。
当時1年目の私はその問題のことや何から部下を守っているのかなんてよくわからないので、内容については割愛します。でも、いつも私たち部下をその大きな背中で守ってくれていて、大きな腕で受け止めていてくれていることだけは感じました。
マイボスの異動
そんな嵐のようなハリケーンのようなコミュニケーションから約4ヶ月。課長1stの異動が決定します。
もう、あの人に笑わせてもらえないんだ。
社会に出て初めてトイレで声を殺して泣きました。
泣いてるの知ったら課長1stは心配するし、
他のメンバーでは頼りないってことがばれてしまう。。。。
そう思ってトイレでその件に関しての分は一生分泣きました。そして、何食わぬ顔で課長1stの新たな門出を祝いました。
課長1stが異動する直前の、最初で最後の私の一対一の評価面談のとき。
「いいから、おまえ、この半年で自分がやってきたこと、アピールしてみろ。」
とお題を出されました。
それに対し私は、
「私は先輩の雑用を引き継ぎました。それにより、先輩たちが本来発揮すべき能力を発揮する時間をより多く作りました。私の業務は今は雑用ですが、チーム全体の業務効率化へ貢献していると考えています。」
みたいなことを言いました。
すると課長1stは
「うん。、、、俺がいなくなってもそうやってアピールしてくんだぞ」
と言い、あとは評価面談という名の課長1stの恋愛経歴自慢話が始まり、面談時刻は終了へと向かっていくのでした。
実は、私を泣かそうと揺さぶりをかけるような言葉をチョイスしていたそうです。
「俺がいなくなっても」はその一例です。
私の異動決定の背中押し
課長1stが異動してから約3ヶ月が経過。その頃の私は毎日午前1時まで仕事をしていて精神的にも肉体的にも限界が来ていました。肉体が限界に近づくと、些細なことでも判断できなくなったり感情の起伏が激しくなったりと辛い毎日を送っていました。
ある日、とある先輩に嫌味をちょいちょい言われていることに我慢ができなくなりました。課長2ndにも聞いてもらえない状況な上、そんなことに悩んで時間を割くこともできないほどの業務量で八方塞がりでした。
体力も回復して余裕もできた今となっては八方塞がりとは一概には言えませんが。。
そんな時に、どうしても頼りたくて、話がしたくて、相談したくなったのです。課長1stに。
勇気を出して、社用携帯にメールしました。すると二言返事で
「会社下の喫茶店に来い。会議室じゃ話しづれぇだろし。」
と相談に応じてくれました。
課長1stの「最近どうだ?」から始まり、「もう部下じゃねぇからいろんなこと聞いてやれるぞ?」に続いて、ようやく私が
あぁ、この人は私が話しやすいように流れを作ってくれているんだ。。。
と感じ、口を開きました。
私「せ、セクハラ混じりの嫌がらせに悩んでいます。。。」
課1st「えぇ、。お、俺ぇえ。。。?」
。。。。。。
あぁ、もうめんどくさいな!!!ちがうってば!!!
あなたは今回関係ありませんから、自意識過剰はやめてください話しの腰をおらないでください!!!
私「。。。ちがいます。」
課1st「。。。すまん。で、セクハラ???そいつ、もうクビなんじゃね??」
そこから、現在の仕事状況精神状況などなどを相談しました。
そして、課長1stの唯一まともな一言。
「頭使って仕事しろ!!やりてぇこと、やるんだ!!」
その言葉を聞いて、私は目が覚めたかのように涙が出ました。目からウロコです。
たしかに、この半年、就職してからというもの大学院まで出て学んだことtとは全く別分野のことばかりをし、さらに多忙にかまけ考えて仕事をすることなんてありませんでした。考えることは、セクハラパワハラをかわす方法のみ。
そしてその言葉を聞いた時に
やりたいことって何?
子供の時から大学院まで勉強してきて私の人生はこれ?
嫌がらせを気にする暇がないほど、夢中に頑張った研究してた頃の私はどこに行った?
毎日深夜まで働いて、休日は倒れて、遊びは?趣味は?
などが頭を巡り、琴線が切れたように涙が止まらなくなりました。
そして、異動しよう。と決意しました。
ちょうど新部署のメンバー募集が来ていたので、迷うことなく異動表明を出しました(現在の部署です)。それがやりたいことかといと、どストライクではないのですが、やりたいことに近づくために確実に前進はする仕事だったので、異動を決意しました。
異動しようと思って異動なんて、なかなかできないケースですが、今回は運良く、それが叶いました。
マイヒーロー
私を泣かしたマイヒーローはというと、
「て、、、てめぇ、、、ちょちょ、、、なんか別れ話みてぇじゃねーか!!!そもそも、つつつ、付き合ってねーし!!!」
みたいなことを言っていましたが、そんなことを聞く余裕もなかったので無視して異動の決意を固めつつ涙を流していました。
異動してからも、ひよっこの私への嫌味やイビりは絶えないのですが、そんなとき、いつも、心の中でマイヒーローの
「んなもん気にすんな!!ガンガンいけ!!」
という声が聞こえます。その声を反芻すると自然と些細な嫌味がどうでも良くなります。
そんなやつ放っておいて、自分の進むべき道は自分の意思で切り開ける大人になりたいと思いました。
たとえ、それが難しい社会であっても諦めない強さを持ちたいです。
そして、マイヒーロのように心のどこかで誰かを支えられる人間になりたいです。
PS:読んでいただきありがとうございました。